カラーモード

v9

diary

ウェブフロントエンドに従事する、もしくはその近隣の畑で仕事をする者が自分のブログを自作するとして、目下の課題は「どの技術スタックでどう作るか」であろう。

おそらくそうした人のほとんどが、ブログの対外的な意義よりも内面的な意義に重きを置いていると思う。つまるところ手段の目的化だ。自分が何でどう作りたいか、どう見せたいのかだけを達成するための道具として人はブログを自作する。対外的に必要がなくてもデザインリニューアルするし、対外的に意義があっても記事を書くとは限らない。それが個人ブログというものなのだ。

dskd も手段を目的化することに重きを置いているブログだ。v9 では脱 gulp することを目的に作業した。markdown で記事を管理し、HTML テンプレートに Pug を採用しているのは変わらないが、dependencies はかなり減らせたと思う。

脱 gulp にあたってのコンセプトは『小さなブログなら小さな環境で。』とした。ビルドタスクもできるだけ小さくシンプルになるように努めた。すぐできる範囲のリファクタリングもできたつもりなので、今のところ仕上がりには満足している。

ビルド以外には大きな変更点はない。v8 のマークアップは丁寧すぎたので少し簡素にし、ブログ内の画像を全て WebP に変え、記事 md の YAML を整えた。Noto Sans を適用したので印象が v8 と異なるが、その程度だ。

本当は素の HTML で書きたいが、一覧や前後の記事へのリンクはテンプレート機能がないとさすがに厳しい。20 年くらい前は HTML の隅々まで目を通しそれらの全てを手で更新して、ひとつひとつの HTML に温もりを感じていた。CMS を知りスクリプトを知った今となってはもうその頃には戻れない。

煩わしさと愛しさを記憶の中に置き去りにして、何事もなかったかのように、それでいて元気で自信満々に、今日も静かにウェブに在る。